こんにちは。

ゼロイチエステートの店舗仲介スペシャリスト
坂本 徹(さかもと とおる)です。

本日は、定期借家契約の中途解約について、
私が実際に体験したことをお話しします。

以前、北海道のとある飲食ビルで、
7年の定期建物賃貸借契約を締結したときのお話です。

出店する飲食店様は、
都内を中心に飲食店を展開している企業でした。

出店する際は、もちろん撤退するつもりで
契約を締結する訳ではないので、
借りる側も強気な事が多いです。

内見を済ませ、賃料等の交渉も済ませ、
貸主から頂戴した契約書のドラフトを見ると、
中途解約が不可という内容の条文でした。 

※定期建物賃貸借契約とはいえ、
中途解約の項目を条文に入れることは可能です。

貸主は「中途解約が出来る」という条文は、
絶対に入れたくないようで、
さらには、中途解約のペナルティまでつけたいと言うんです。

そのペナルティの内容は、
”契約期間の残存期間の家賃を全額支払えば、中途解約に応じる”
というものでした。

普通に考えてリスクが高い案件です。

借主側には、「リスクが高いですよ」とお伝えしたところ、
「7年間は絶対に営業する試算だから大丈夫だ」と言うのです。

でも、何があるか分からないので、
「中途解約の条文を入れてもらいましょうよ!」と提案しても、
「途中で撤退しないから大丈夫」と、本当に強い意志でした。

むしろ、契約書にそんな条文があったら、
上手くいかないかもしれないとまで。

「出店をする!」と決断をしたお客様は、本当に強気です。

私は、リスクがあることを知りながらも、
借主様の強い意志を尊重し、契約を締結しました。

しかし、契約から4年後、
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の発令があり、
飲食店は大変苦しい状況になりました。

こちらのお客様も、売上が伸びず、紆余曲折ありましたが、
「撤退したい」という結論になりました。

ですが、契約書はガチガチの状態です。

最終的には、弁護士の方にお願いする運びとなりました。

本案件では、
中途解約が出来るという条文が無いこと、
さらにはペナルティもあるということを、
何度もメールや電話で伝えていたので、
私が責められることはありませんでしたが、
その飲食店様は、とんでもない違約金を払いました。

正直、これは私もやれることは精一杯やったと思っていますが、
今後はこの経験も交えて契約の際にはより強くアドバイスをしようと
心に誓いました。

これから飲食店を開業されたいとお考えであれば、
契約時にはぜひこの話を思い出してください。

まとめ

契約書はリスクを理解して、最悪の事態も想定して交渉しよう。

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