こんにちは。
ゼロイチエステート、代表の坂本徹です。
今回のコラムでは、出店場所をお探しの方に向けてビルイン型店舗と物件選びのポイントについて解説いたします。みなさんの物件選びのご参考にしていただけますと幸いです。
1.ビルイン型店舗とは
ビルイン型店舗とは、「商業施設や駅などのビルの一部に店舗スペースが設けられた物件」のことを指します。
駅ナカの商業施設や雑居ビル、大型ショッピングモールなどをイメージしていただくと、わかりやすいですね。
次は、ビルイン型店舗の特徴を解説します。
2.ビルイン型店舗の特徴
ビルイン型店舗の特徴は、集客力・利便性・管理の3つの側面があります。
集客力
ビルの中に店舗があるため周囲に他の店舗やオフィスがあり、ビルの利用者からの集客が期待できます。
利便性
交通アクセスが良い場所に立地していることが多いため、利便性が高い店舗のひとつと言えます。
施設管理
ビルの管理会社が共用施設や設備の管理を行っているため、施設の故障やセキュリティ対策が施されています。
3.ビルイン型店舗に出店するメリット・デメリット
ビルイン型店舗に出店するメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
<ビルイン型店舗に出店するメリット>
・集客力
大きなメリットは「集客力の高さ」です。 周囲のテナントの利用者も含めて多くの方が毎日訪れます。「より良いものを購入したい」という心理状態が働くため、目的のものを店舗ごとに見比べて購入する人が多い傾向にあります。競合店があることで、人が回遊するため集客力が高まります。
・店舗のブランディングがしやすい
入居しているビルの特徴に沿って店舗のブランディングをすることができます。また、ビルそのものがランドマークとなるため、場所がわかりやすく信頼性もアピールすることができます。
<ビルイン型店舗に出店するデメリット>
・賃料が高め
立地条件の価値や集客効果が高いため、近隣の相場より賃料が高めに設定してある、もしくは、売上によって賃料が変動する場合があります。
・競合点の存在
同じビル内に他のテナントが存在するため、競合関係になることもあります。競合がいることで集客の面でメリットもありますが、価格や接客などの独自のアピールポイントで差をつける必要があります。
今回は、メリット・デメリットを大きく2つずつ解説しましたが、実際は出店しようとするビルによって様々な特色があります。実際に足を運び、直接管理会社の方にお尋ねするのも一つの方法です。
次は、物件選びのポイントを解説します。
4.ビルイン型店舗物件選びのポイント
ビルイン型店舗の物件を選ぶ際のポイントをご紹介します。
①交通量や周辺環境のリサーチ
駅や交通の利便性、周囲の商業施設や住宅地の様子など、周辺環境などのリサーチは必ず行いましょう。客層を見極めることは、店舗のブランディングや扱う商材に大きく影響します。また、店舗運営にはスタッフの雇用も必要です。他のテナントの状況を踏まえ、自社はどのようにするべきか考える必要があります。
②ビルの特徴
ビルの規模や他のテナント、共用施設の充実度など、ビル自体の特徴も重要です。また、駐車場の広さ、店舗からの距離も重要なポイントです。例えば、家具や生活雑貨を販売する場合、駐車場が広い方がお客様は来店されやすいと思います。なぜなら、配送サービスも利用することができますが、送料を考えるとご自身で持って帰りたいと思う方も多いことが予想されるからです。このように、ビルの特徴を捉えることは大変重要です。
③賃料と予算
予算とのバランスを考え、将来的な売上や利益を見据えて判断しましょう。施設によっては賃料とは別で売上歩合の支払いが発生する場合もあります。
また、近年はエネルギー価格の高騰などに伴い、賃料も上昇傾向にあります。撤退ラインを自身で決めておくことも大切です。
5.駅前店舗で出店しやすい業種
ビルイン型店舗で出店しやすい業種を5つ紹介します。
①小売業
ファッション・雑貨・コスメなどの小売業は、駅直結のビルなど多くの人々が集まるビル内での出店が効果的です。
②飲食業
レストラン・カフェ・ファストフードなどの飲食業は、ビルの訪問者以外にもその周辺で働く人や住民に利用されやすいです。
③美容関連
美容室・エステサロン・フィットネスクラブなどは、利便性の高いビル内での展開が顧客獲得につながります。
④スクール
学習塾・語学学校・資格スクールは、学生や社会人が通いやすい場所に出店することで需要が見込めます。帰宅途中にあることで安心感や利便性の高さをアピールし、顧客獲得に繋げたいですね。
⑤クリニック
眼科や歯科医院などのクリニック系は、ビル内での出店によりアクセスの良さや利便性の高さをアピールすることができます。買い物のついでなど「わざわざ足を運ばなくても良い」ことで、通院のハードルを下げることができます。
ただし、業種によっては競合が激しくなる場合もあるため、周囲の競合状況や需要の分析を行いながら、出店の可否を検討することが重要です。
6.初期費用について
ビルイン型店舗に出店する場合は、賃借料の他に売上管理費など別途費用がかかる場合があります。
ここでは、A駅直結ビルの3階に20坪の輸入雑貨店をオープンする場合を例に初期費用の概算を見てみましょう。
賃貸面積 | 20坪 |
契約期間 | 5年間 |
敷金 | 300万円(最低保証賃料の10ヶ月分) |
<毎月の費用> | |
賃料 | 月売上の10%(最低保証売上300万円/月) |
共益費 | 60,000円/月 |
駐車場負担金 | 月売上の0.5% |
販売促進費 | 月売上の1% |
テナント会費 | 5,000円/月 |
売上金管理費 | 15,000円/月 |
<初期費用> | |
内装監理費 | 200,000円 |
現場協力金 | 200,000円 |
オープン販促費 | 100,000円 |
※初期在庫購入費用(仕入れに係る金額)は含まれません
7.まとめ
今回は、ビルイン型店舗についてお話ししました。いかがでしたでしょうか。
集客力があり、出店後の店舗運営のイメージをしやすいのがビルイン型店舗の魅力のひとつですね。
この記事がこれから出店を検討される方の参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。