こんにちは。
ゼロイチエステート、代表の坂本徹です。

X(旧Twitter)に投稿された、こちらの投稿をご存知でしょうか?
IT領域特化のM&Aアドバイザーの福住優氏の投稿です。

今回のコラムでは、​​こちらの投稿を参考に、飲食店を始めたい人に向けて、飲食事業の成長戦略ついて解説いたします。みなさんの店舗経営や物件選びのご参考にしていただけますと幸いです。

町田商店が達成した“飲食事業を極めた”成長戦略の概要

町田商店は、16年前に個人事業としてスタートし、現在はラーメンチェーン「ギフトホールディングス」として大きく成長を遂げています。その成長を支えたのは、出店の戦略、製造体制の強化、そして人材確保の取り組みです。

引用:株式会社ギフトホールディングスIR情報

町田商店を運営している株式会社ギフトホールディングスのIR情報によると、コロナ禍でも売上が下がることがなく、2024年10月期の第2四半期には、売上高135億円、営業利益15億円を達成しました。

飲食業界は、新型コロナウイルスの影響で多くの店舗が苦戦を強いられた中、町田商店はどのようにして成長を遂げたのでしょうか。その成長戦略について詳しく見てみましょう。

1.都市と地方での出店戦略の違い

町田商店の成功の鍵の一つは、出店戦略にあると言えます。町田商店は、都会の人口集中エリアでは直営店を展開し、郊外ではプロデュース店を展開するという「攻守のバランス」を取る戦略を取っています。

具体的には、「駅近エリア」と「ロードエリア」に分ける方法です。「駅近エリア」では、『町田商店』という屋号ではなく、『地域名+商店』(例えば、池袋商店)というように地域密着型の店舗展開を図り、一方、「ロードエリア」では、『町田商店』の屋号を使用することで、品質が一定に保たれている安心感を担保しているのです。

また、経営面に焦点を当てると、直営店は売上と利益の拡大を目指し、地方のFC店では利益率の担保に焦点を当てているのが特徴です。

実際、2024年10月期の直営店の売上構成比は全体の84%を占め、プロデュース店は16%に留まっています。これにより、直営店での売上や利益の拡大と、プロデュース店舗での安定した利益確保の両方を同時に実現しているということがわかります。

引用:株式会社ギフトホールディングス2024年10月期 第3四半期 決算説明資料

2.製造体制の強化とコスト削減

町田商店のもう一つの強みは、工場での製造体制が安定しているということです。製造品目の拡大も積極的に行い、麺やスープ、チャーシューなどの自社製造による安定供給を可能にしています。2023年11月には、新たに神栖(茨城県)工場が稼働予定で、さらに製造体制が強化されます。これにより、今後の新規出店に備えた体制も整えることができます。

また、店舗内のオペレーションの効率化にも力を入れています。例えば、IH導入によりスープの保温温度を一定にすることにより、スープのクオリティを安定させることができるようになりました。また、店内のレイアウトを工夫し、従業員の業務負担を軽減しました。これにより、現場の効率が上がり、同時にコスト削減も図ることに成功しました。

つまり、自社での製造を進めることで、さらなる品質の確保とコスト削減を実現し続けていることで、新店舗でも既存のノウハウを活かし、効率的なオペレーションを実現し、安定した店舗運営が可能となっているのですね。

3.人材確保と従業員満足度の向上

急成長する企業にとって、重要な課題の一つが人材確保です。町田商店では、アルバイトやパートから正社員へのキャリアアップを推進しています。2024年10月期の上期には、12名がこの制度を通じて正社員に登用されました。

さらに、採用特設ページを新設し、会社のカルチャーや仕事内容の魅力を伝える取り組みも行っています。店舗訪問企画や店長の一日に密着するなど、従業員の働き方に焦点を当てたコンテンツも配信し、採用活動を強化しています。

また、従業員の給与水準を上げたり、海外向けの人材育成プログラムを策定したりするなど、環境や労働環境の改善や採用の幅を広げることにも取り組んでいます。特に飲食業界では、アルバイトやパートの採用が多いため、これらの施策は労働力確保の鍵となる重要な戦略のひとつとも言えます。

4.持続可能な店舗経営

町田商店は、成長を続ける中で持続可能な経営を目指し、サステナビティ推進委員会を立ち上げました。この委員会では、社会や環境に配慮し、ステークホルダーに対して責任を持つ経営を進めることを重視しています。これにより、単なる利益追求にとどまらず、企業としての社会的責任を果たしながら、ブランド拡大や事業承継、バリューアップを図ることを目標としています。今後も持続可能な成長を追求していく方針です。

引用:株式会社ギフトホールディングス2024年10月期 第3四半期 決算説明資料

ギフトホールディングスが注目される理由は、単なるラーメンチェーンとしての成長に留まらず、企業としての社会的責任を持つ姿勢が、今後も飲食業界での存在感を高め、さらなる成長を遂げるでしょう。

飲食業界の未来を牽引するギフトホールディングスの動向に、今後も注目です!

5.まとめ

今回は、​​飲食店を始めたい人に向けて、飲食事業の成長戦略ついて町田商店の実例を挙げてお話ししました。いかがでしたでしょうか。

都市部と地方で異なる出店戦略や、自社製造によるコスト削減、人材育成など、多角的な経営を軸に、成長を続ける町田商店の取り組みは、成功への大きなヒントになることばかりですね。

この記事が、これから飲食事業を始めたい方の参考にしていただけると嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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