こんにちは。
ゼロイチエステート、代表の坂本徹です。
今回のコラムでは、飲食店を始めたい人に向けて、物件選びで押さえておきたいポイントを飲食店の種類別に解説いたします。みなさんの物件選びのご参考にしていただけますと幸いです。
飲食店で共通した物件選びのポイント
メニューや営業形態に関わらず、飲食店を開店するためには、保健所や消防署の許可が必要です。法律で定められた内容に沿って検査が行われるため、それに沿った形の物件でないと許可を得ることができず、開店することができません。
まずは、飲食店の業態に関わらず、共通して必要なポイントを見てみましょう。
建物の衛生面
間取り・壁・床・天井・店内の明るさなどといった、建物そのものが衛生的であることが必要です。居抜き物件の場合は、前のお店でも法定検査を通っていますので、概ね法律に適合しているところが多いのですが、以前の物件の業態によっては、油汚れをとるなど専門業者を入れて清掃が必要な場合もあります。また、スケルトン物件の場合は、設計の段階で法定検査に適合したものにする必要があります。例えば、換気扇や水場の設置が可能か、お客様のスペースと厨房は完全に区切らなければいけないなど、業態に応じた設計・工事が可能な物件かということを確認する必要があります。
設備の設置の有無
厨房・トイレ・換気・手洗い場・冷蔵庫などといった、設備も法律で設置場所が定められています。例えば、手洗い場は2箇所必要で、水栓も「洗浄後の手指の再汚染を防止できる構造を有するもの」と法律で定められています。
また、周辺の状況や外観をしっかりみておくことは大切です。朝昼夜と時間を変えて内見に行くなどして、可能な範囲で自分の目で確かめましょう。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください!次の項目からは飲食店の種類別のポイントを解説します。
飲食店の種類別のポイント
レストラン
レストランは、ファミリー層やシニア層が多く利用します。特に郊外店の場合は、車で来店するお客様がほとんどです。そのため、物件を選ぶ際には、駐車場があるかということが条件に入ります。加えて、お客様の席数が十分確保できるフロアか、厨房が広く、数名の従業員がいても調理することが可能か、という視点で物件を選びましょう。
フランチャイズ店の場合は、本部の指示に見合った物件か、チェックしなければなりません。この場合は、本部の担当者が相談に乗ってくれることもあります。
カフェ・喫茶店
カフェや喫茶店は、お客様の層を明確にイメージすることから始めましょう。それによって、出店エリアが決まってきます。傾向としてお客様が店内で過ごす時間が長いので、居心地の良い空間演出が可能かという視点で物件を選びましょう。
また、スタッフの数を想定した上で、厨房の広さを考え、厨房施設の大きさもそれに見合うものが設置できるか(すでに設置してあるか)ということを抑えることも大切です。
居酒屋
居酒屋は、夕方〜夜の人通りがどのようになっているかを自分の目で確かめましょう。
また、揚げ物の提供が多いイメージのある居酒屋を嫌がるオーナーがおられることも事実です。これは、ダクトや壁、フロアがカフェに比べて汚れてしまうため、もし、現在の借主が撤退した場合、他の業態として次に貸すことが難しくなってしまうイメージがあるからと考えられています。
バー
深夜に営業するバーも、居酒屋と同様、オーナーの考えも大切なポイントです。物件に「夜のお店」のイメージがついてしまうため、あまりよく思わない方もいらっしゃるようです。また、「深夜酒類飲食店営業届」を管轄の警察署に届ける必要があり、照明・音響設備配置図と営業所の周囲の略図を添付しなければなりません。建物の上層階でも開店することができるため、同じ建物にどのような飲食店があるのか把握し、騒音や他店のお客様やスタッフがトラブルに巻き込まれないかということも、考えることも大切です。
まとめ
今回は、飲食店を始めたい人に向けて、物件選びで抑えておきたいポイントを飲食店の種類別に、お話ししました。いかがでしたでしょうか。
飲食店の物件は、「居抜き」を利用するのも方法のひとつです。同じ種類のお店ですとオーナーさんの考えもある程度同じ場合が多く、法定検査もパスしやすいとされています。管理会社ともご相談すると、親身に対応してくれるはずです。
飲食店を始めたいと考えている方の参考になれば嬉しいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。