こんにちは。
ゼロイチエステート、代表の坂本徹です。
今回のコラムでは、飲食店を始めてみたい方に向けて、飲食店の店名(屋号)の決め方について解説いたします。みなさんのご参考にしていただけますと幸いです。
店名を決める前に確認すること
店名を決める際、法律上、必ず確認しなければならないことがあることをご存知ですか?
本章では、店名を決める前に確認しておいてほしいことを解説します。トラブル防止のためにもぜひチェックしてくださいね。
商標登録の確認
店名に限らず、メニュー名も「商標登録」がされていないか確認しましょう。すでに商標登録がされている名称を使用してしまうと、商標権の侵害になり使用料を請求されてしまうだけではなく、名称の変更をしなければなりません。トラブルを防止するためにも、必ず調べましょう。
※検索はコチラから
「特許情報プラットフォーム:J-PlatPat」
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/
店名につけられない文言ではないか(文字の制約)
法律にもあります通り、店名には、「会社である」と誤認される文言は使用できません。会社名をそのまま店名(屋号)にする場合は、同じで構いませんが、大抵のお店は会社名と店名は異なっている場合が多いです。
会社法第2章
(会社と誤認させる名称等の使用の禁止)
第七条 会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
第八条 何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。
また、ある程度、お店が軌道に乗ったら会社にしようと考えておられるオーナーさんもおられるかと思いますが、会社名として使用できる文字は、ひらがな・カタカナ・漢字に加え以下のように法律で定められています。
【商号の登記に用いることができる符号】
(1)ローマ字(大文字及び小文字)
(2)アラビヤ数字
(3) 「&」(アンパサンド)
「’」(アポストロフィー)
「,」(コンマ)
「‐ 」(ハイフン)
「.」(ピリオド)
「・」(中点)
出典:法務省告示 商業登記規則(昭和39年法務省令第23号)第51条の2第1項
SNSのアカウント名やドメインの取得が可能か
商標登録されていなくても、SNSのアカウント名やドメイン名として使用されていないかも調べましょう。類似したアカウント名やドメイン名だとお店の情報がわかりにくくなるため、情報が埋もれてしまったり、別のお店と勘違いされてしまう原因になってしまいます。情報発信もしっかり視野に入れましょう。
次は、店名を決めるポイントについて解説します。
店名(屋号)を決めるポイント
店名(屋号)は、その名の通り「お店の名前」です。愛着を持ってもらえる店名をつけたいですね。店名を決めるポイントを解説します。
読みやすい店名か
お店の看板を見た時に、読み方がわからないお店だと、認知が広がりません。店名が長い場合は、略しやすいものにするなど、語呂の良さはとても重要です。
スマートフォンで入力しやすいか
お店の検索は、大多数の人はスマートフォンでおこなっています。お店の認知や情報をシェアしてもらうことに直結するので、検索のしやすさは店名を決めるポイントです。
提供しているメニューやお店の雰囲気と合っているか
例えば、和食料理のお店なのにフランス語の店名だったら、どうでしょうか。メニューや雰囲気と全く合わず、なんだかチグハグな店名だと感じませんか?誤解を招くこともありますので、メニューやお店の雰囲気をイメージできる店名にしましょう。
オーナーの価値観や想いをのせているか
大切な店名ですから、お店への想いをのせましょう。座右の銘やお店を開くことになったきっかけなど、価値観や背景などを店名にすることで、「こんなお店になってほしい」という想いがあふれるお店になります。お客さんから「なんでこの店名?」と尋ねられるような、ユニークな店名にするのも良いですね。
ショルダーネームを活用する
名前が決まってもこれだけでは、何を提供しているお店なのか、わかりづらいため、「ショルダーネーム」を活用することも考えましょう。
「ショルダーネーム」とは、居酒屋〇〇、焼肉〇〇、洋食〇〇というように、何屋さんなのかがわかるように、店名の前につける名前のことです。
お店のメニューをひと目でお客さんにわかりやすく伝える役目があることから、飲食店では多く使われる手法のひとつです。
まとめ
今回は、店名を決めるポイントについてお話ししました。いかがでしたでしょうか。
お客様はもちろん、近隣の地域の方にも愛着をもってもらえるお店になるような店名をぜひつけてくださいね。
この記事が、皆さんの参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。