こんにちは。
ゼロイチエステート、代表の坂本徹です。

今回のコラムでは、​​飲食店を始めたい人に向けて、飲食店開業のために使いたい補助金や助成金ついて解説いたします。みなさんの参考にしていただけますと幸いです。

1.補助金・助成金とは?

補助金も助成金も、国や地方公共団体・民間の団体から支給されるお金のことです。誰でももらえるわけではなく、財源は公的な資金から出されるものですので、一定の条件を満たした上で、対象機関への申請や申請内容の審査が必要です。融資とは違い、どちらも返済は不要ですが、条件によっては交付決定までの審査が厳しいものもあります。

次からは、補助金・助成金、それぞれの違いについて解説します。

2.「補助金」とは?

「補助金」とは、年度で予算や採択件数が決められており、それらが上限を達してしまうとその年の補助金は終了になることが多いです。申請したからといって、受給が決まるのではなく、審査内容が他社に劣っている場合や、内容が審査基準に満たないと採択されない場合もあります。そのため申請の手間や審査のハードルが高い傾向にあります。また、補助金を何に使用したのか、報告書にまとめ、提出しなければなりません。

以下は、主な補助金をご紹介します。各補助金のホームページ(URL)をご覧ください。(補助金の内容は、執筆時点のものですので、すでに受付終了をしているものもあります。ご了承ください。)

(主な補助金)

・小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金(=持続化補助金)は、小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する補助金です。

申請場所管轄の商工会議所または商工会
対象者商業・サービス業:常時使用する従業員の数 5人以下宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数 20人以下製造業その他:常時使用する従業員の数 20人以下
補助限度額通常枠:50万円賃金引き上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠:200万円※インボイス特例対象事業者は、上記金額に 50 万円の上乗せ
対象となる経費機械装置等費広報費ウェブサイト関連費展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)新商品開発費借料委託・外注費      他
URLhttps://r3.jizokukahojokin.info/

・IT導入補助金

IT導入補助金は、ITツールの導入によって業務効率の向上やサービスの質の改善を支援するために使用できる補助金です。POSレジや予約システム、在庫管理システムの導入などに活用できます。

申請場所IT導入支援事業者(ITベンダー・サービス事業者)
対象者中小企業・小規模事業者
補助限度額通常枠:1プロセス以上5万円以上150万円未満4プロセス以上150万円以上450万円未満インボイス枠(インボイス対応類型):内容に応じ10万円以下〜350万円インボイス枠(電子取引類型):(下限なし)~350万円以下セキュリティ対策推進枠:5万円以上100万円以下複数社連携IT導入枠:内容に応じ200万円以下または300万円以下
対象となる経費事業のデジタル化を目的としたソフトウェアやシステム(会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、PC・ハードウェアなど)
URLhttps://it-shien.smrj.go.jp/

3.「助成金」とは?

「助成金」とは、補助金と同様、年度で予算が決められています。補助金との違いは、要件を満たすと受給されることが多く、申請の手間はかかりますが、ハードルが低い傾向にあります。

以下は、主な助成金をご紹介します。詳しくは、各助成金のホームページ(URL)をご覧ください。(助成金の内容は、執筆時点のものですので、すでに受付終了をしているものもあります。ご了承ください。)

(主な助成金)

・創業助成金(東京都中小企業振興公社)

公益財団法人東京都中小企業振興公社では、一定の要件を満たし、都内で創業を予定されている方または創業して5年未満の中小企業者等の方に、従業員人件費、賃借料、広告費等、創業初期に必要な経費の一部を助成しています。

申請場所東京都中小企業振興公社
対象者都内で創業を予定されている方または創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件を満たす方
助成限度額上限額400万円 下限額100万円※助成対象と認められる経費の2/3以内
対象となる経費賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費、委託費(市場調査・分析費)
URLhttps://www.tokyo-sogyo-net.metro.tokyo.lg.jp/finance/sogyo_josei.html

・若手・女性リーダー応援プログラム(東京都中小企業振興公社)

公益財団法人東京都中小企業振興公社では、都内商店街で、新たに店舗を開業しようとする方に、店舗の工事費等、経費の一部を助成することで、開業初期の費用負担軽減となる支援をしています。

申請場所東京都中小企業振興公社
対象者都内商店街で対象となる業種で1年以内に創業を予定されている、個人もしくは個人事業主の女性またはは39歳以下の男性のうち、一定の要件を満たす方
助成限度額上限額844万円(対象経費により、複数年度に渡って支給)
対象となる経費店舗新装・改装工事費 事業所整備費・宣伝・広告費・店舗賃借料
URLhttps://wakajo-shotengai.com/

4.活用する上で気をつけたいこと

せっかくの補助金や助成金をいざ活用したいと思っても、注意すべき点があります。ここでは、活用する上で気をつけたいことを解説します。

・補助金や助成金は後払い

補助金や助成金は、事業のサポートをするものです。実際に支払った対象経費に対してその何分の何が対象額として申請者に振り込まれます。また、そもそも採択されなければ、支払われることがありませんので、まずは、自己資金が必要です。

・申請から支給まで時間がかかる

補助金や助成金は、申請したからといって、即日、支給されるわけではありません。申請から採択され、手元に振り込まれるまでに半年から1年かかる場合がほとんどです。

・募集要項をしっかり読み込む

補助金や助成金の募集要項をしっかり読み込みましょう。特に、申請期間、支払対象期間は要チェックです。この期間内に申請や支払いをしないと補助金や助成金を受けることができません。また、書類の不備があると補助金や助成金を受けることができません。わからないことや不安なことは、問い合わせると担当者がサポートしてくれます。

・補助金や助成金をもらったら収入になる

補助金や助成金は、確定申告をする際に収入として申告することが必要です。記載漏れによるペナルティが課されないよう、必ず会計処理を行いましょう。

・補助金や助成金が適切に使用されているか、検査が入る場合もある

補助金や助成金の不正受給を防ぐために、支給した補助金や助成金が適正に使用されているか採択後に検査が入る場合があります。事業をその後継続しているか、購入した備品は使用されているか、適切な事務処理が行われているかなど、確認されるようです。申請書類は、最低5年間保管しておくことも忘れないようにしましょう。

5.まとめ

今回は、​​飲食店を始めたい人に向けて、飲食店開業のために使いたい補助金や助成金ついてお話ししました。いかがでしたでしょうか。

今回、ご紹介した補助金や助成金以外にも、開業や店舗拡大のための補助金や助成金があります。自治体によっては独自の補助金や助成金がありますので、開業される地域の商工会や役所をお尋ねください。

これから、飲食店を開業したいと考えている方の参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※この記事は2024年8月25日時点の情報です。最新の情報は都度ご確認ください。

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