こんにちは。
ゼロイチエステート、代表の坂本徹です。
今回のコラムでは、出店する際に悩む方が多いポイントの判断基準についてお話しします。
物件選びの参考にしていただけたら幸いです。
最寄り駅
まずは、最寄り駅についてです。
店を構えて事業を始めたい方であれば、どこの駅に出店するか?というのは非常に悩むところだと想像します。
選択肢の多い都市部の場合は特にでしょう。増店する場合であっても、既存店との距離やスタッフの移動時間等を考えて慎重になるオーナーさんは少なくないようです。
そういった方は何を基準にして、店舗探しをするのでしょうか。
まず、駅を決めるうえで避けて通れないのが家賃です。
一等地でなくとも、ある程度の人気駅となると家賃は高額になります。これは1階、地下・空中階に共通して言えることです。高い、安い、だけで決めると、確実に後悔することになります。
では、駅を決めるうえでどういった視点を持つべきなのか?しっかりとした基準を持ちたいものです。
その基準とは、このコラムでも何度か話題にしてきた家賃相場、つまり坪単価がひとつの基準となります。
もちろん人気の駅であればあるほど、そこには人(お客さん候補)がいるものです。
売上予測が立てやすい、ということも重要な基準となってくるでしょう。
具体例を挙げてみます。
飲食店が軒を連ね、連休ともなれば大勢の人がいて、予約なしでは飲食店に入店することすら苦労する町、北千住。
なかなか空室情報が出ませんよね。
実際、「この街で出店したい!」というお客さんはとても多いです。町の驚異的な集客力に、出店動機を抱かれる方もいることでしょう。
そんな北千住で、数少ない物件情報を目をこらしてみてみると、広さにもよりますが、大体1坪あたり¥30,000~というのが昨今のトレンドのようです。
一際、人通りが多い西口アーケード中ともなると¥60,000以上の値が付いていたりします。
では、既にある程度の年数、この地で営業している店の家賃はどうでしょうか。
なんと、¥20,000を切ります。これが本来の、北千住の相場なのです。
なぜ物件情報が乏しいのか、お分かりでしょうか?
家賃が安いにも関わらず集客出来てしまうからです(もちろん各店舗の日々の営業努力もあります)。
こうした駅は都内に多々あり、赤羽、錦糸町(北口)なんかも同様の性質を持った駅です。
やや下町にあって、大きな繁華街を持つ駅に多い現象かも知れません。
因みに、これらの駅であっても、新築やサブリース会社さんが募集する物件はこうはいきません。
極力高い家賃水準で入居者を募ろう、という動機が働くからです。
目にする物件情報の多くが高額になりがちなのは、こうしたカラクリがあります。
駅についてまとめると、その駅がもつポテンシャル(集客力の高さ)と家賃の乖離というのは、店舗探しにおける一つの指標として持たれていいと思います。
加えて、沿線の客層も意識したいところです。
高所得層を狙うなら、東急沿線、港区界隈でしょう。西武線や京成線といった路線はあまり人気がありません。繁華性に乏しい駅が多く、ベッドタウンの性質が色濃いことに由来すると思われます。
逆張りの発想で、比較的家賃も低く抑えられる路線、急行通過駅で検討されるのはアリだと思います。
次のページでは、狙うべき立地のお話をします。