こんにちは。
ゼロイチエステート、代表の坂本徹です。
今回のコラムでは、美容室を始めてみたい方に向けて、店舗選びのポイントや初期費用について解説いたします。みなさんの物件選びのご参考にしていただけますと幸いです。
美容室とは?
まず、美容室の定義について、改めてご説明します。美容室とは、ヘアカットやスタイリング、カラーリング、パーマなどの技術を駆使して、お客様の個性や要望に合わせた美しいスタイル(髪型)を提供する場所です。また、ヘアケア、ネイル、着付けなど美容全般のトータルサポートをしてくれる店舗もあります。
美容、理容で免許が違うため、開業する場合は美容師免許や管理美容師免許が必要です。美容師が2人以上在籍している美容室は、開業時に管理美容師がいることを届け出る必要があります。将来的に雇用が発生する可能性が高い場合は、管理美容師免許を取得しておくことをオススメします。
美容室を出店する際の初期費用
美容室を出店する際の初期費用は、以下のようなものが必要です。
代表的な項目を5つ紹介します。
①賃貸契約関連費
賃料・敷金・保証金などを含む賃貸契約に必要な費用です。店舗の場所や広さ、条件などに応じて異なります。人気のエリアは賃料が高くなる傾向にあります。
②内装・設備工事費
店舗の内装や設備を整えるための費用です。美容室は営業許可が必要です。保健所の規定に従い設備を設置しなければなりません。また、シャンプー台やスタイリングチェアーなど専用の機器の購入などが別途かかります。美容室の設備は特殊なものが多く、専門業者からの購入になります。
③材料費・備品代
シャンプーやトリートメント、カラー剤など使用する美容用品の費用です。これらは、切らさないよう多めに在庫を持っておく必要があります。また、ケープや手袋などの消耗品も大量に必要です。
④広告宣伝費
様々な職種の中でも、美容室はオープン前の宣伝が重要とされています。開店してからしばらくは、全てのお客様が新規といっても過言ではありません。
ホームページやSNSの制作・運用、予約サイトへの登録、チラシなど多岐に渡ります。
新規オープンという人の目をひきやすい時期に、しっかりとPRをおこないましょう。
⑤当面の運転資金
固定費、人件費、備品代など、毎月の支払いは数十万円になります。事業が軌道にのる半年から1年分の運転資金は最低限でも用意しておく必要があります。
これらは、地域や店舗の規模、業態によって異なるため、具体的な金額を把握するためには、不動産会社や専門家に相談することが重要です。
事業計画を立て、初期費用を把握しましょう。
次は、美容室を経営するメリット・デメリットを解説します。
美容室を経営するメリット・デメリット
美容室を経営するメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
メリット
店舗のトータルプロデュース
ご自身が作りたい店舗のイメージは浮かんでいますか?
想定しているお客様の層がイメージにあっているのか、お客様にとってゆっくりとリラックスできる空間はどのようにするのかというように、自身で店舗をトータルプロデュースすることができます。
お客様の魅力を惹き出す
お客様におしゃれなヘアスタイルや美しいメイクを提供することで、自信や笑顔を引き出すことができます。個性に合わせた魅力を惹き出すことは、お客様に喜びを感じていただくことができ、その顔を自分が見ることで仕事のやりがいを感じることができます。
デメリット
競合が多くトレンドの変化が早い
美容業界は競争が激しく、市場の変化が早い業界です。競合の美容室との競争やトレンドの変化に対応するためには、常に最新の技術やトレンドにアンテナを張っておく必要があります。
理美容室の店舗数の推移
プライベートな時間が少なくなる
経営が安定するまでは、ひとりで切り盛りすることも想定されます。ホームページやSNSの更新、経理業務など事務作業に時間を取られがちです。
営業時間中は対応できないことも多いため、定休日に事務作業はもちろん、技術の向上のための勉強会やスタッフの指導などが入る場合もあります。そのため、プライベートな時間は自ずと少なくなります。
無理をして体調を崩さないよう、自身の体調管理も考慮しなければなりません。
実際は出店しようとするエリアによって様々な特色があります。実際に足を運び、先輩の経営者の方にお尋ねするのも一つの方法です。
次は、物件選びのポイントを解説します。
美容室の物件選びのポイント
美容室の物件選びのポイントを3つ解説します。
①周辺環境のリサーチ
美容室は、競合店舗が多い業種のひとつです。エリア内に競合が何店舗あるのか、最寄り駅や物件の周辺環境をリサーチしましょう。また、競合店や類似店舗との差別化を図ることも重要です。
②条件をクリアしているか
美容室は、法的要件を満たさなければ開店することができません。特に、元々美容室ではない物件を利用する場合は、水回りなどの工事が必要になることもあります。保健所の許可を得ることができるのか、必ず確認をしましょう。
③設計の自由度
店舗設計の自由度は快適な空間づくりに大きく関わります。必要な席数が確保できそうか、店内装飾はどの程度できるのか、スタッフの動線はどのようにするのか、というような視点で内見をしましょう。また、BGMを流すことも想定されます。音漏れがどの程度してしまうのかなど、オープンしてからトラブルを防ぐためにも、細かい部分もオーナーや管理会社へ確認することをおすすめします。
初期費用について
ここでは、20坪ほどの美容室をオープンする場合を例に初期費用の概算を見てみましょう。
内 容 | 金 額 |
---|---|
物件取得費(敷金、礼金、仲介手数料・前賃料) | 220万円 |
内外装工事費 | 800万円 |
機材費 | 200万円 |
材料費 | 100万円 |
広告費 | 50万円 |
備品代(タオルやケープなどの消耗品) | 100万円 |
その他(許認可費用、保険、当面の人件費など運転資金) | 300万円 |
合 計 | 1770万円 |
自己資金や金融機関からの融資だけではなく、各自治体の補助金などを利用することで事業費用の一部を捻出する方法もあります。
また、居抜き物件を活用することにより、内装工事費を抑え、初期費用を下げることができ、想定より安く開店することも可能です。
近年では、複数人の美容師で店舗を共同で利用する形態での「シェアサロン」も増え、独立の仕方が多様化しています。
まとめ
今回は、美容室をオープンする際の店舗選びのポイントについてお話ししました。いかがでしたでしょうか。
特に、これから開店をしたいと考えている方の参考になれば嬉しいです。競合の多い業界ですので、差別化を図り、オリジナリティあふれるサロンにしてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。